東海道五十三次を歩く第15回
東海道五十三次を歩く
・・・東田子の浦〜富士川

 前回5月20〜21日に続き、いつもの普通列車ルートで午前8時40分に東田子の浦駅着。すぐ先の立圓寺(りゅうえんじ)に富士の絶景を称えた望嶽の碑がある。樫の大木にせみ時雨、真下に行くといっそう強く感じる。大蘇鉄も巨木だ。根廻が3mもあり4本に幹が分かれる。

 9時15分、大昭和製紙工場の向いに急階段が目に付く。上には独特の極彩色のラマ教系寺院の毘沙門天妙寺。だるま市で有名、旧暦1月7〜9日には50万人の人で賑わう。製糸工場の赤白の高い煙突を尻目に、東海道本線の踏切を渡り、さらに新幹線と国道1号線のガードをくぐると左富士神社と左富士の碑がある。左富士とは東海道から富士山が左側に見える場所で、東海道では茅ケ崎の鳥井戸橋とこの二箇所だけという。平家越えの橋に10時34分、左手は日産自動車工場が続く。岳南鉄道の踏切を越した辺りから、吉原宿の中心地だが面影はない。変って賑やかな商店街が続く。富士市といえば製紙工場だが、やはり江戸時代からこの地吉原は、水に恵まれた為、駿河半紙の生産地で栄えた。明治になり西洋紙の輸入で一時衰退するが、和紙産業から近代製紙業の町に生まれ変わった。昔からの地理や気象条件から伝統は継承されていくものだなと、思い知らされた。

 今日はうー暑い!朝食が5時40分頃の列車に乗る前にコンビニで買った鮪おにぎり一個と熱いお茶だけだったので、9時半頃から空腹感を覚え10時30分頃お茶を飲む。この辺りは食堂がない。レストランの看板があっても開業時間が11時からが多い。とうとう民芸うどん前で営業開始まで2〜3分待つがなかなか開かない。ガラス越しに見ると、お姉さんが鏡を見ながら、パタパタとお化粧をしている最中だ。営業時間はキチンと守って欲しい。ドアが開くと同時に飛び込む。暑いのでまず生ビールをジョッキで喉を潤す。うまいー!

揚げたての海老天おろしそばで、そばが細く、こしがあり美味しく当たりだった。

静岡銀行の近くに鯛屋旅館があると後でわかった。この旅館は、天和2年(1682年)創業の老舗で梅と高麗人参のエキスを含んだ梅風呂温泉が有名だとか。1泊2食付5500円とある。興味のある宿だが気がつかなかった。富永橋のあたりで、「湯」の看板があり、次の信号左折800mとあった。天然温泉であれば行こうと思い、そばのガソリンスタンドで車を洗っていたご夫婦に聞くと普通の銭湯と聞き、行くのをやめた。吉原宿がこれまで海岸沿いに歩いてきたのに、山に近い北側に街道があるのはなぜかと思っていたら、過去に高潮などの自然災害を受けることが多く、それで北に移動したという。

11時35分に店を出る。するとすぐに、吉野家、長崎ちゃんぽん、えちぜん(すし、うどんなどの和食)、香港大美園、らーめんとレストランが続く。富士川橋に12時19分着。橋を渡り始めると海風が吹いてきて気持ちいい。橋を渡ると東名に沿って歩く。岩淵の脇本陣跡を過ぎると、岩淵の一里塚に出る。珍しく榎大木が両側に残っている。片側が二代目とか。昔はここに「栗粉餅」を売る茶屋が並んだという。12時58分富士川駅着。ここから普通列車で東京に戻る。

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