中山道69次を歩く
中山道69次を歩く
深谷〜倉賀野 2001年9月30日 第6回


 雨天であればよそうと思っていたが、朝5時に目がさめて、雨はまだ降っていなかったので行くことにした。八高線、川越線、上越線で乗り換え、深谷駅に着いたのがすでに9時10分。駅員に明治の実業家渋沢栄一の生家を尋ねると、車で20分とかで行くのを諦めた。駅前には渋沢栄一の銅像が立つ。

旧街道の本町、角が田部井薬局を左折して合流する。深谷宿は、隣の熊谷宿が飯盛女を置かなかったので、その反動か?深谷の飯盛女は有名だったそうな。七つ梅の大きな看板を立てる酒屋?や和菓子屋などの旧家が残る。呑龍院の向かいに1840年(天保11年)建立の常夜灯を過ぎ、旧本陣跡が。左手に清心寺入口の看板があり、その奥、高崎線踏みきりを渡って山門をくぐる。入り口には数々の赤い前掛けをした地蔵、庚申塚、石碑が建つ。平忠度(たいらのただのり)(平清盛の弟)の墓がある。一の谷の合戦で、この土地出身の岡部六弥太忠澄に討たれたが、遺髪を持ちかえり供養した。

 9時55分国道を交差して滝宮神社、岡部(北)交差点を過ぎて八坂神社、岡部町の普済寺に出る。岡部六弥太が建立した普済寺は街道から100m奥に、境内入口左右に杉の巨木が二本、本堂は旧来の本堂らしからぬモダンな造り。産蚕神社の先で右折し忘れて、旧道と離れてしまう。仕方なく騒音の国道沿いに歩き、11時25分諏訪町交差点、角が不二家ドライブインで旧道に合流。右手手前が一里塚跡のはずだ。

左折し、いよいよ本庄宿に入る。 11時44分、大正院(だいしょういん)天正11年(1583年)開山の真言宗の寺。掃除をしていた隣のお母さんに寺の名を聞く。11時50分本庄駅入口交差点通過。このあたり流石に酒屋、和菓子屋などの古い建物や蔵造りの店が残る。向かい奥に安養院の立派な楼門が見える。今は民家が立ち並んでいるが、昔はかなり遠くからでもこの威容が見えただろう。天明7年(1475年)に建立、本尊は大日如来。楼門の屋根瓦には龍の彫りものがある。宮本町商店街には古い建物が残る。やがて金鑚(かなさな)神社(じんじゃ)が右手に見える。相当広い境内で本殿は享保9年(1724年)拝殿は安永7年(1778年)幣殿は嘉永3年(1850年)の建立という。本殿、拝殿は日光東照宮のような彫刻の美術館。角を右折してすぐ左折、このあたりの焼肉屋で昼食をと思ったが、まだ足は持ちそうなのであと30分は我慢しよう。12時40分、左手にラーメンの看板が見えた。もう選択の余地はない。焼肉定食に餃子、生ビールを注文。イチローの記録が気になるが衛星放送はないだろうな。女将さんの話「お手伝いの人がいたんだけど、客が減り私1人でも難とかやれるから・・・」知り合いの客が入店し、ラーメンと餃子のみのメニューを見て、「あら。他にもメニューはあるんでしょ?」と聞かれ「私1人で、3人に3種類のメニーを注文されては大変だから」最近はコンビニやスーパーに客を奪われている様だとか。

 13時20分、40分も休憩をしてしまった。上里町に入る。JA上里に来て、見たことがあるなと思ったが、隣の賀美小学校にPTAの関係団体で、研修に来てここのJAに大型バスを駐車させてもらった記憶がある。丁度運動会の真っ最中で、父兄が駆けつけている。国道と合流して、じき神流川(かんながわ)を渡って群馬県新町に入る。

神流川合戦場跡石碑を右手に見ながら進む。小さな赤い鳥居と土蔵造りの八坂神社、右手、大欅の下に芭蕉句碑が立つ。「(からかさ)におしわけ見たる柳かな」。行在所(あんざいしょ)公園でトイレを借りる。本陣跡、新町駅入口を過ぎ、関越道のガードをくぐりしばらく土手を歩く。右奥が烏川、土手の内側にはねぎ、長芋等の野菜畑、野球場、サッカー場等が続く。土手下には、真っ赤な彼岸花が存在を主張している。歩道に標語が貼られている。「散歩して 踏んで気になる この臭さ」

 もうくたびれ、足が痛く柳瀬橋手前で休憩。千年水を補給する。烏川を渡ると高崎市に入る。岩鼻町交差点を左折、じきに文化10年(1814年)建立の大きな常夜灯と、閻魔堂が見える。この角が例幣嗣街道との交差点になる。閻魔大王の両脇には、閻魔童子と倶生神がそろう。宿場にはいると、古い建物や土蔵が残る。左手の酒造店?は勅使河原本陣跡らしい。この二階家

とつづく土蔵は皆大正時代のものとか。明治17年に鉄道が引かれるまで、信州や越後で取れたお米は碓氷峠を牛馬で超え、倉賀野から烏川を舟で下り、利根川、江戸川を経て江戸へ運ばれた。倉賀野駅入口を右折して駅へ急ぐ。歩いている途中、登り方面の八高線の列車がうまく間に合うか、気になっていたが、駅には16時30分着。17時03分発で、まだ時間があるのでトイレで着替えをする。

 これで日本橋から安中宿までの15宿を踏破したことになる。

 

 




中山道を歩く もくじ



Copyright (C) 2000 A Spa Service All Rights Reserved



inserted by FC2 system