中山道69次を歩く
中山道69次を歩く
鴻巣〜熊谷 2001年9月16日 第4回


 本日は午前5時30分起床。初秋になり、早朝は寒いかなと長いパンツを穿いていった。鴻巣に着く頃には晴天で暑く、トイレで短パンに穿き替えた。午前8時20分に、先週歩いた旧道に合流した。

 歩道に所々に「こうのとり」のかわいいタイル絵がある。

かつて、この地に大木があり、人々は木の神と祟い、酒食を供えて祭りをしていた。こうしないと祟りをするというのである。ある時、この木の枝に(こうのとり)が来て巣をかけた。ところが、大蛇が来てその卵を呑もうとしたので、鵠はつついて殺してしまった。それから木の神の祟りもなくなったので、村民は喜んで社を立て 鵠の宮と称し、それが地名になったという。かつての氷川社で宿の総鎮守とされ、他の雷電社、熊野社が明治になって合祀して鴻三社、後に鴻神社と言われる。一の鳥居と二の鳥居の間に両側2対の常夜灯がある。それぞれ明治15年、大正2年の銘が残る。参拝し先を急ぐ。JR線を渡って箕田(みた)で、すぐ右手に「宮田邸」のでっかい表札が目立つ。古い時代ではなさそうだが、武家門構えの立派なお宅で、宮田紋入りの鬼瓦が立派だ。9時02分、観音堂が右手にあった。平安中期の武将、嵯峨源氏の渡辺綱の守り本尊が奉られるという。馬頭観音もある。

 秋笹酒造轄H場が左手に見える。金紋朝日酒造金賞受賞の看板が建てられる。このあたり、秋を感じさせる秋の味覚があちこちに落ちている。柿、かりん、ぎんなん等。

 県道76号線「宮前」交差点通過、氷川八幡神社には9時16分着。入口に箕田源氏の由来を記した「箕田碑」がある。中宿橋を渡って、追分の分岐点に平成8年に作られた中山道の道標碑が立つ。その

先に酒屋丹羽商店隣に、正徳二年十一月銘の地蔵立像?が立っている。亀のような動物に立った立像で、その動物を3人の人間が持ち上げている様に見える。隣に「岡象女之神」碑がある。馬頭観音も多く見られる。ところどころ稲穂がたれる風景が見られるが、一面稲穂の大海というのは今は昔のさびしさよ。

 吹上町に入り、一里塚の小さな碑が残るのみ。吹上駅前を10時08分に通過。本町5丁目を左折し、JRを渡るのだが、車はバイパス道で人は渡れず、歩道橋の階段を上ることになる。歩道橋の下には、中山道の道標と案内板が作られている。

 荒川の土手近くになると、道路標識の大きな看板「吹上町ふるさと散歩道荒川コスモス街道0.5キロ」が見える。この先に、「権八延命地蔵」があるはずだが、どうしても分からない。道路は直進で荒川を渡ってしまう。旧道は右よりに曲がって、土手伝いに歩くのだが、その急カーブのあたりにあるはずなのだが・・。歌舞伎の鈴が森に登場する白井権八が、鳥取から江戸に出る途中で路銀に困り、この地蔵の傍で旅人を切って金を奪った。そのとき、権八が地蔵に「今のことを他言するな」と冗談に声を掛けたところ、地蔵が「わしは言わぬが、ぬしも言うな」といったという伝説の所だ。

 土手に上がってからの距離が長い。左手に「コスモス栽培中」

の看板がある。10時55分、休日で家族ずれが多い荒川パノラマ広場を通貨。かんかん照りで暑いが、風が通るのが救いだ。右手に3階建ての大きな大日幼稚園をみて、左手につまり土手の内側に、田んぼや畑がある。この土地は所有者が決まっているのだろうか?「決壊の後碑」を読むと昭和22年9月カスリ―ン台風による洪水のため、熊谷市久下地区この地で堤防が決壊し・・とある。風に乗って、学校で行われている地域運動会のマイクの音量が聞こえる。熊谷はまだかまだかと、足取り重く。向こうからサイクリングの若者がくるので、今どのあたりか聞いてみた。「行田駅はまだですよ。川原は広いから、歩いた様に感じても、意外とあるいていないもんですよ」とがっかりさせることを言う。12時02分、工事中の久下橋を見て、我慢できずに右手に折れ、街中の小道を歩くことにする。お寺らしい所に寄ってみると、地図に載っている東竹院だ。

養鱒場の隣で、東竹院の門から奥に入り、左角に古い地蔵や庚申搭がある。そこを右折した所が本堂になる。

 二股に分かれる道をどっちを選ぶか迫られたが、左手にラーメン屋の看板が見えたので迷わずラーメン道を行く。もう喉が乾いて、生ビールだ生ビールだと口走る。ミスターラーメンで、生ビールジョッキを2杯、餃子にやきそばを賞味。和室には野球の試合が終わったばかりらしいおじさん達の反省会で賑々しく「おーい。生ビール。ハイサワー。」の声が飛び交う。「二つ目の信号を右折すると、熊谷駅だよ」との女将さんの声にほっとして店を出る。名勝熊谷堤万平公園を右手に見て熊谷駅へ向かう。

 この間は4里16キロという長い距離の割に史跡が残っていないので、歩きがいがない。ちょっと残念だ。

 


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